不思議な石! 私が小学校一年生の頃、従兄たちと麦畑でかくれんぼをしていた時、私の右足の甲をマムシが通って いきました。「キヤァー!」とびっくりして足を見たら親指の付け根のところに血が滲んでいました。 その時は痛くはなかったのですが、私の声に驚いてみんなが集まり、わたしを負ぶって家に連れて帰っ てくれました。母が直ぐにひざ下を手ぬぐいで縛ってから、父に相談しました。私が幼かったので切開は 可哀想と思い、小さな黒い石を傷口に付けてくれました。それが「蛇頂石」だったのです。傷口に平らな 部分を当てると、毒気のある間は傷口に密着し毒気を完全に吸い取ると自然にポロリとはずれるのです。 母は、はずれた蛇頂石を茶碗に水を入れてその中につけておきました。すると、石は泡を吹きつつ毒を 吐き出すのです。泡が出なくなったら水から出して、よく拭き乾かしておけば又、使えるのです。 その頃、私たちはその石を「ダチョウ石」と聞いていて、最近まで「ダチョウ石」と思っていました。姉た ちに話を聞くと「蜂に刺されたとき」など、この蛇頂石を使用していたそうです。この「蛇頂石」は、今でも 私の実家、大事に保管されています。「蛇頂石」を調べてみると「この石は、かつて鳩居堂が販売してい た、虫さされに効くとされる人造石」とあり、「蛇頂石」は、一切の毒虫や獣類に咬まれたり刺されたりし た時に傷口に当てると、毒気を吸い取るという摩訶不思議な石です」とあります。もう少し詳しく知りた い方は、私の姪のブログ「山椒魚の人 9」を検索して見て下さい。 |